現在ではがんゲノム情報も網羅的に集積されるようになっており、それを公共データベースから誰でも閲覧し、解析することができるようになっています。
ここでは、主ながんゲノムデータベースについて紹介します。
ICGC Data Portal
- URL : https://dcc.icgc.org/
ICGC Data Portal とは?
ICGC(国際がんゲノムコンソーシアム)によるがんゲノムプロジェクトで、ヨーロッパ、アメリカ、日本など多国籍共同のがんゲノムデータベースを構築しています。なお、アメリカのデータには後述のTCGAのデータも含まれています。
GDC Data Portal (TCGA)
GDC Data Portal (TCGA)とは?
NIH(アメリカ国立衛生研究所)によるがんゲノムプロジェクトで、さまざまながん種について、ゲノムやエピゲノム、トランスクリプトーム、変異情報などのデータを集約して、公開しています。もともと、The Cancer Genome Atlas (TCGA)として広く知られていましたが、現在ではGDC Data Portalの一部として公開されています。
GDC Data Portal の使い方
GDC Data Portalの使い方は以下の記事をご覧ください。
統合TVでも以下のように詳しく説明されています。
The Cancer Genome Atlas (TCGA) を使って各癌種の公開データを検索・ダウンロードする
The Cancer Genome Atlas (TCGA) を使って各癌種の公開データを解析する
COSMIC
COSMICとは?
COSMICはイギリスのSanger研究所によるがんゲノムの体細胞変異に関するデータベースです。COSMICのデータベースには、expert curation data と systematic screen data の2つのタイプのデータがあります。
- expert curation data:投稿論文の情報をもとに専門家が手動で入力したデータ
- systematic screen data:ICGCやTCGAなどの他のデータベースからインポートされたデータ
expert curation data は既知のがん遺伝子に関する信頼性の高い詳細な情報を得るために用いられるのに対して、systematic screen data は未知の新たながん遺伝子の発見に役立てることができます。
COSMIC の使い方
COSMICの使い方については統合TVで詳しく紹介されていますので、こちらをご覧ください。
COSMICでがん遺伝子の体細胞変異について調べる
CCLE
CCLEとは?
CCLEはアメリカのBroad研究所によるヒトのがん細胞株に関するデータベースです。様々ながん細胞株における遺伝子発現、変異、RNAスプライシング、DNAメチル化、ヒストンH3修飾、マイクロRNA発現、タンパク質アレイなどのデータがまとめられています。
CCLE の使い方
CCLEの使い方については統合TVで詳しく紹介されていますので、こちらをご覧ください。
CCLE (Cancer Cell Line Encyclopedia) を使って、がん遺伝子の発現パターンや変異データを調べる
外部ツールを用いてがんゲノムの公共データベースを解析する
cBioPortal
スローン・ケタリング記念がんセンターによって開発されている、がんの公共データベースの横断的解析ツールです。TCGAのゲノムデータやその他の公共データベースのゲノムデータを、cBioPortalのインターフェースを通して解析することができます。
cBioPortal チュートリアル
YouTubeでのcBioPortalのチュートリアルが公開されています。
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