2020/6より頭頸部癌に対する加速器を用いたBNCTが保険収載されます。
保険適応となる条件は「薬事承認された医療機器及び医薬品を用いて、切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌の患者に対して実施した場合」に限られます。なお、ここでいう「薬事承認された医療機器及び医薬品」とは、住友重機械工業の加速器とステラファーマのホウ素製剤(ステボロニン®)のことです。また、「関係学会より認定された医師の管理の下で実施すること」が求められています。これに関しては、日本中性子捕捉療法学会よりガイドブックが出されています。
この条件を満たす施設は、現状では南東北BNCT研究センターと関西BNCT共同医療センターの2か所のみです。
保険点数は以下に示されているように、一連の治療で技術料が238,500点(薬剤の使用料を除く)となっています。
実際の治療ではこれに加えてステボロニン®の薬価が算定されます。ステボロニン®の薬価は1袋(9000 mg/300 mL)あたり444,215円となり、実際の治療では500mg/kgの投与量が必要なことから、体重60kgの患者で4袋必要なことになります。(添付文書)
かなり高価な治療となりますが、実際には高額医療費制度も適応され、また一回で終わる治療なので、トータルで見ると分子標的薬などと比べると安上がりなのかもしれません。いずれにせよ、いよいよBNCTが始まりますね!
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