BNCT研究の現況と最新情報(NCT letter)が公開されています【BNCT】

日本中性子捕捉療法学会よりBNCT研究の現況と最新情報について詳細に書かれたNCT letter 第7号が公表されました。BNCTに関心のある方はぜひ一度ご覧ください。

保険診療が開始されて間もないBNCTですが、これまでの臨床の話や今後の新たな加速器開発の話題、そしてBNCT研究の今後のことなど非常に新鮮な情報がたくさん詰め込まれています。さらに、少し前に話題になった「液体のりとBNCT」についての記事や、今話題の免疫療法とBNCTとのかかわりについての研究など盛りだくさんで、BNCT研究に興味のある方には必見の内容になっています。

なお、NCT letterのバックナンバーはこちらです。

京都大学の原子炉を用いた医療照射は終了しました【BNCT】

BNCTの研究・臨床は今まで京都大学の原子炉(京都大学複合原子力科学研究所)を中心として行われてきて、その発展に重要な役割を果たしてきました。そして、病院でのBNCTの実現に向けて加速器を用いたBNCTも京都大学と住友重機械工業、ステラファーマが共同で開発を行い、2020年6月にはついにそれを用いた保険診療が開始されるに至りました。それをもって、京都大学におけるBNCTの医療照射は終了し、今後は関西BNCT共同医療センターと南東北BNCT研究センターにて保険診療としてのBNCTが開始されます。

京都大学での患者さんに対する医療照射は終了しますが、今後も京都大学はBNCTの基礎研究の拠点として原子炉と加速器を用いた基礎研究を継続されていく予定とのことです。

頭頸部癌に対するBNCTの保険診療が開始されます【BNCT】

2020/6より頭頸部癌に対する加速器を用いたBNCTが保険収載されます。

保険適用となる条件は「薬事承認された医療機器及び医薬品を用いて、切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌の患者に対して実施した場合」に限られます。なお、ここでいう「薬事承認された医療機器及び医薬品」とは、住友重機械工業の加速器とステラファーマのホウ素製剤(ステボロニン®)のことです。また、「関係学会より認定された医師の管理の下で実施すること」が求められています。これに関しては、日本中性子捕捉療法学会よりガイドブックが出されています。

この条件を満たす施設は、現状では南東北BNCT研究センター関西BNCT共同医療センターの2か所のみです。

保険点数は以下に示されているように、一連の治療で技術料が238,500点(薬剤の使用料を除く)となっています。

実際の治療ではこれに加えてステボロニン®の薬価が算定されます。ステボロニン®の薬価は1袋(9000 mg/300 mL)あたり444,215円となり、実際の治療では500mg/kgの投与量が必要なことから、体重60kgの患者で4袋必要なことになります。(添付文書)

かなり高価な治療となりますが、実際には高額医療費制度も適応され、また一回で終わる治療なので、トータルで見ると分子標的薬などと比べると安上がりなのかもしれません。いずれにせよ、いよいよBNCTが始まりますね!

加速器を用いたBNCT治療システムが医療機器・医薬品の製造販売承認を獲得しました【BNCT】

2020/3/11に住友重機械工業の加速器を用いた治療システム(NeuCure™)が新医療機器としての承認を取得し(プレスリリース)、2020/3/25にはステラファーマのBNCT用のホウ素製剤(ステボロニン®)が製造販売承認を取得しました(プレスリリース)。

まずは、頭頸部癌を対象としたBNCTの保険診療が開始されることになります。今後は、頭頸部癌に対する実績を積んでいくとともに、再発悪性神経膠腫への適応拡大を目指していくことになります。

加速器BNCT治療システムが医療機器として承認される見込みになりました!【BNCT】

2020/2/19に厚生労働省薬事・食品衛生審議会医療機器・体外診断薬部会で審議され、京大・住友などのグループの加速器BNCT治療システムが医療機器として承認されることが了承される見込みとなりました。(プレスリリース)

まずは治療装置の承認が得られそうなので、あとは治療薬の承認が得られれば、いよいよ(研究所ではなく)病院で行われるBNCTが本格的に始まっていきそうですね。原子炉ではなく病院で1年中いつでも行える治療になって初めてがん治療の選択肢の一つとして考えることができるようになります。

これから盛り上がっていきそうなBNCTにますます目が離せません!