お薬手帳の電子化のススメ

突然ですが、お薬手帳使っていますか?

お薬手帳は病院を受診して薬が処方された際に薬局でもらえるもので、自分の飲んでいる薬を管理するための大切なものですね。病院を受診したときに医師や薬剤師に見せて、薬の飲み合わせを確認したり、副作用などの情報を確認したりします。
しかし、頻繁に病院にかかっているならきちんと管理できますが、たまにしか病院を受診しないのであれば、いざ病院を受診しようとしたときにお薬手帳がなくなってしまっているのが現実ではないでしょうか?そうなると、病院を受診してお薬をもらうたびにお薬手帳が増えていって…、ということになって、過去の内服を管理するという本来の目的は遠い彼方に行ってしまいます。

また、東日本大震災のような災害の際には、「避難所に避難してきた人たちの飲んでいる薬を特定して引き続き処方する」ということが必要になりますが、薬の名前や用量を正確に答えられる人は少なく、非常に困難な作業になります。例えば、「カロナール」という薬を飲んでいることは覚えていても、それが、 「カロナール200mg錠」 なのか「カロナール300mg錠」なのか、あるいは「カロナール500mg錠」なのかを正確に答えられる人は(医療関係者でない限り)いないでしょう。もちろん、カロナールでは大きな問題にならないかもしれませんが、ほかのお薬では大きく治療効果・副作用にかかわってきてしまいかねません。その時にお薬手帳があれば解決するのですが、災害の混乱の最中に紙のお薬手帳を持ち出すのはよほど備えている人でない限りは難しいでしょう。

同様に外出先で急病で倒れて救急車で運ばれた際も、お薬手帳があれば自分の内服薬がすぐに分かりますが、お薬手帳がないと自分の内服薬の正確な名前・用量は特定するのが難しいでしょう。とはいえ、お薬手帳を常に持ち歩いている人はかなり少数派だと思われます。

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目次

電子版のお薬手帳とは?

そのような際に力を発揮するのが電子版のお薬手帳です。スマートフォンのアプリとしてお薬手帳を入れることで、どんな時でも常にお薬手帳を持ち運んでいるという状態になります。今の時代は、お財布を忘れてもスマートフォンは忘れないという時代ですからね。

お薬手帳アプリの使い方

薬局で処方箋を渡すときにお薬手帳を持っているか聞かれるので、「お薬手帳アプリを使っています」と答えればOKです。そうするとお薬手帳アプリに取り込むためのQRコードを発行してくれるので、自分でアプリからQRコードを読み込むことでアプリに薬の情報を取り込むことができます。

なお、NFC機能に対応した薬局では、設置されているICリーダーライターからお薬情報を取り込むことも可能なようです。

お薬手帳アプリの提示の仕方

お薬手帳アプリを使い始めたときの最大の疑問は、「どうやって薬局や病院で見せるの?」でした。お薬手帳の目的は今飲んでいる薬を医師や薬剤師に知らせることですからそれができなくては意味がありません。紙の手帳なら単にそれを提示するだけですが、アプリの場合はどうすればいいのでしょうか?特にお薬手帳アプリは各社からいろいろなものが出されているので、様々なものがあり医師や薬剤師がそれを確認するのを困難にしてしまっています。

その答えとして、 電子お薬手帳相互閲覧サービス「e薬Link」というのが運用されているようです。
日本薬剤師会が提供するシステムで、 異なる電子お薬手帳アプリの内容を相互に閲覧することを可能にする仕組みです。これによりe薬Linkに対応する薬局であれば、e薬Linkに対応したお薬手帳アプリの情報を電子的に取得することができるようです。

しかし、あくまでもe薬Linkは薬局向けの仕組みであって、実際に病院の診察で医師が確認するときは、実際のスマートフォンのアプリを直接見せて確認というのが現実的なところかもしれません (医師として実際に診察に関わった限りでは、e薬Linkのようなシステムを備えた病院は知りません)。将来的にはe薬Linkのような仕組みが、診察室レベルでも整備されれば医師もスマートに確認出来ていいのですが…

主な電子お薬手帳

お薬手帳アプリは各社から様々なものが出ているので、好みのものを使えばいいと思うのですが、ここではアプリの継続性の観点から特に日本薬剤師会が提供するものを中心にお示しします。(そのアプリが急に終了してしまって大切な健康にかかわる情報を失うことがあっては嫌なので…)

eお薬手帳

日本薬剤師会が提供するアプリ。

おくすり手帳Link

こちらはNTTドコモが提供するアプリ。ドコモユーザー以外も無料で利用可能です。
以下の記事を見る限り、システムとしてはeお薬手帳と共通化されているようです。
ドコモなど3社、電子お薬手帳サービスを統合へ

ちなみに、「おくすり手帳Link」は倉敷中央病院のような大規模病院でも正式に採用されたりしているみたいです。
電子版お薬手帳「おくすり手帳Link」- 倉敷中央病院

ドコモユーザーでなくてもdアカウントを持っていれば、選択肢になりそうです。

まとめ

以上、お薬手帳の電子化についてでした。
これから普及してくる仕組みかなとは思いますが、紙の手帳では必要な時に手元にないということがよくあるので、個人的には電子化がおススメです!

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